077006 ランダム
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Lee-Byung-hun addicted

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『タチュルコヤ』 (3)

『タチュルコヤ』 (3)


「わ~っ、今日も美味しそう。」
私は思わず叫んだ。
ソウルに来てから毎日オモニ特製の料理が所狭しと食卓に並ぶ。
栄養バランスバッチリで味も最高だ。
「ほら、手を洗っていらっしゃい。チゲが冷めるから」
自慢げに微笑んだオモニにせかされ私たちは手を洗いに洗面所に向かった。

「ねえ、過保護すぎない?」
鏡に映る彼に向かって私はそう口にした。
「何が?」
「あなたが。何も手まで洗ってくれなくても。私小さな子供じゃないんだから。」
私を後ろから抱きしめて私の手をシャボンの泡だらけにしてつめの先から指の間まで丁寧に洗う彼は鏡の中の私に向かって
「嫌?」と訊ねた。
「嫌じゃないけど・・・」
「じゃ、いいじゃないか。こうやって洗うと二人いっぺんに綺麗になるんだから」
彼はそう答え、泡だらけの私の手をしっかりと握って鏡の中で微笑む。

嫌どころか・・・手を洗うだけで身体が熱くなってしまう自分を本当は持て余しているのに。
そんなことは・・・・言えない。

すると急に彼が笑い出した。
「どうしたの?」驚いて訊ねる私に
「いや、なんでもない」
彼は笑いをこらえてそう答えた。
「残念だけど急がないとチゲが冷めちゃうな」
彼がひねった水道の蛇口から水が勢いよく流れ出した。


「あ~お腹いっぱい。もう食べられないわ」
隣で横になっている揺はそういいながらお腹をさすっている。
「まだまだ前の食欲までは戻ってないね。前だったらご飯もう一杯お替りできただろ?」
僕は笑いながら言った。
「まあね。でもオモニが作ってくださるご飯本当に美味しくて。何だか最近太ったみたい」
嬉しそうにそう言う揺に僕は覆いかぶさった。
「どれどれ。どこが太ったのかな」
僕は確認作業に入った。
まもなく揺の耳がピクンと動く。
揺は自分で気づいているんだろうか。
感じ始めると自分の耳がピクンと動くこと。
僕は彼女を愛しながらさっきの洗面所を思い出していた。
手を洗っている時・・・過保護だと僕に文句を言いながら
彼女の耳がピクンと動いたことを。
そして可笑しくて耐え切れず思い出し笑いをした。
「何笑ってるの?くすぐったいな」
揺は首元をさすりながら怪訝そうにそういった。
「ん?揺は素直じゃないけど揺の耳はとっても素直だってことが可笑しくってさ」
僕はそういうと彼女の耳を軽く噛んだ。
「変なビョンホンssi」
揺は笑いながらそういうと僕にしがみついてきた。
ほら、また耳が動いた。
これは僕だけの秘密にしておこう。
僕は確認作業の続きを急ぐことにした。
今夜も楽しい夜になりそうだ。



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